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医療法人の経営を安定させるには? 主な課題と改善のポイントを解説

近年の医療法人は、診療報酬改定や物価・人件費の高騰、深刻な人手不足といった急速な環境変化に直面しています。厳しい情勢のなかで「医療の質」を維持し続けるには、感覚に頼らない「経営管理」と、無駄を削ぎ落とす「業務効率化」の構築が必須です。

本記事では、現在の医療法人が直面している主な経営課題と、経営基盤を安定させるための具体的な改善アプローチを解説します。

医療法人の経営を取り巻く現状と主な課題

医療法人の経営では、収益とコストの管理だけでなく、人材やバックオフィス業務、経営情報の報告など幅広い課題への対応が必要です。

まずは、現在の医療法人を取り巻く主な課題を確認しましょう。

なお、医療法人に限らず、広く病院経営の全体像や課題に興味がある方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

病院経営を安定させるために今求められる取り組みとは

収益とコストのバランス維持

医療法人は自院の判断で提供サービスの価格を上げられないため、収支のコントロールが困難です。医療機関の主な収入源である医療サービス価格は、国が定める診療報酬制度によって一律に固定されているためです。

そして自由な価格設定ができない一方で、医療用資材や光熱費などの物価高騰に加え、人材確保のための人件費率は上昇を続けています。入ってくる収入の上限が決まっている構造のなかで支出コストだけが増加するため、収益性が圧迫されやすい環境に置かれています。

人材不足とバックオフィス業務の負担

医療業界における人材不足は、医療従事者だけでなくバックオフィス(管理部門)の現場にも深刻な影響を与えています。

経理や労務、施設管理といった事務を担うスタッフが不足すると、手回らない分の業務が現場の医療従事者や経営層に集中します。その結果、本来集中すべき診療や中長期的な意思決定に時間が割けなくなり、過重労働と業務効率の低下につながるのです。

バックオフィスの負担増は、組織全体の生産性を下げる直接的な原因と言えるでしょう。

医療法人の経営情報等の報告制度への対応

毎年の経営状況に関する正確なデータを期日通りに提出・報告する作業は、医療法人の大きな実務負担となっています。

医療法改正に伴い、原則すべての医療法人に対して病院・診療所ごとの収益や費用、人員数といった経営情報を都道府県知事へ報告することが義務付けられたためです。

報告データは「医療法人経営情報データベース(MCDB)」へ蓄積され、経営分析に活用されます。制度へ対応するには日頃から院内データを正しく整理しておく必要がありますが、集計作業が増えたことで事務現場の工数は一段と増大しています。

医療法人の経営を安定させるためのポイント

厳しい環境下で医療法人の経営を安定させるには、現状を正しく把握し、無駄のない管理体制を構築する必要があります。

ここでは、経営の健全化に向けて取り組むべき3つのポイントを解説します。

経営状況を数値で可視化し、コストを最適化する

医療法人の経営状況を改善するには、まず収益や費用を数値で把握し、コストの構造を明確にするようにしましょう。損益計算書(P/L)などの財務情報に加え、診療科や部門ごとの収支を確認すると、どこで収益が生まれ、どの費用が経営を圧迫しているのかを把握できます。

たとえば、人件費や医薬品・医療材料費、設備関連費などを項目ごとに確認すれば、支出が増えている原因を特定しやすくなります。単純に費用を削るのではなく、医療サービスの質や職員の業務負担への影響も考慮しながら、見直す項目を判断しましょう。

また、経営情報を継続的に記録・比較することも必要です。月ごとの収益や費用を確認すれば、前月や前年との変化を把握でき、問題が大きくなる前に対応しやすくなります。

具体的な病院のコスト削減アプローチや具体的な削減項目については、以下の記事で詳しく解説しています。

病院でコスト削減を進める方法と注意点

バックオフィス業務の効率化を進める

管理部門の事務負担を軽減し、現場や経営層がコア業務に集中できる環境づくりが求められます。

経理や労務、書類作成といったバックオフィス業務は、手書きやExcelで管理すると転記ミスや確認作業に多くの時間が奪われがちです。

そこでまずは自院の業務フローを洗い出し、手動で行う必要のない作業を整理したうえで、適切なITツールやシステムへ置き換えましょう。導入時はツールを買い与えるだけでなく、担当者の役割分担や運用ルールまであらかじめ設計しておくことがスムーズな定着につながります。

中長期的な経営計画を策定する

単年度の損益管理にとどまらず、数年先を見据えた計画的な経営管理を行える体制に整えましょう。

医療機器の更新や建物の修繕にはまとまった資金が必要であり、地域の人口動態によって求められる医療ニーズも変化していくためです。

将来の設備投資時期、採用計画、資金繰りシミュレーションをあらかじめ策定しておきます。中長期の明確な指針を用意しておくことで、突発的な環境変化に対しても迅速な判断を下せるようになります。

医療法人の経営管理には外部の専門家・システムの活用も有効

院内のリソースだけで経営改善や業務効率化を完結させるのが難しければ、外部の専門サービスやITシステムの導入を検討してみましょう。

自院の抱える課題に応じて検討したい3つの活用方法を紹介します。

医療経営コンサルティングの活用

経営課題を整理し、改善策を検討する際には、医療経営に詳しいコンサルタントの支援が役立ちます。

医療法人の経営では、診療報酬制度や医療法など、一般企業とは異なる制度や事情を踏まえて判断する必要があります。しかし、院内だけで経営課題を分析しようとすると日々の診療や業務に追われ、問題の原因を客観的に把握しにくい場合もあるでしょう。

医療経営に関する専門的な知識を持つコンサルタントに相談すれば、経営数値の分析や課題の整理、経営計画の策定などを外部から支援してもらえます。自院だけでは見つけにくい課題を把握し、改善策を検討するための選択肢の一つです。

バックオフィス業務の外部サポート活用

労務管理や経理、行政への届出といった管理部門の実務を外部の専門業者へ委託することも検討してみてください。

専門的な人材を自社で採用・育成するコストを抑えつつ、確実な業務品質を確保できます。ノンコア業務の負担を外部へ分散させることで、院内のスタッフは医療現場のサポートや本来の業務へ集中的に取り組める環境が整います。

誰でも扱いやすい経営管理システムの導入

複雑な操作を必要としない経営管理システムを導入すると、日々のデータ集計や管理作業が円滑になります。

現場の負担にならず直感的に扱えるツールであれば、担当者のスキルに頼ることなく、収支や稼働状況の可視化を実現できるためです。

手動入力によるミスの削減だけでなく、報告制度に必要な書類作成や経営分析を迅速に行える体制をつくれます。

医療法人の経営を安定させる まとめ

医療法人の経営を安定させるために大切なのは、経営状況を数値で可視化し、収益とコストのバランスを確認しながら継続的に改善することです。さらに、バックオフィス業務を効率化し、経営層や医療従事者が本来の業務に集中できる環境も整えるようにしましょう。

一方で、経営課題の整理や業務効率化、経営情報の管理までを院内だけで対応することが難しい場合もあります。そのような場合は、医療経営コンサルティングやバックオフィス支援、経営管理システムなどの外部サービスを活用する方法があります。

株式会社UPASでは、医療機関の経営管理を支援するため、経営コンサルティングに加えて、業務効率化につながるシステム開発やバックオフィスの人材リソース提供を行っています。医療法人の経営や業務管理に課題を感じている場合は、まずは自院の状況についてご相談ください。

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