ブログ

医療事務の効率化を図るには? 具体的な方法と進め方

医療事務では、受付や会計、レセプト業務、書類作成など、日々さまざまな事務作業が発生します。業務量が多いだけでなく、同じ情報を複数回入力したり、担当者によって作業手順が異なったりすると、職員の負担は増えるばかりです。

医療事務を効率化するには、まず現在の業務を整理し、不要な作業や重複している作業を見直すことから始めましょう。そのうえで、業務の標準化やITシステムの活用、ペーパーレス化、外部リソースの活用など、自院の状況に合った方法を取り入れます。

ここでは、医療事務を効率化する具体的な5つの方法と、それぞれの進め方を解説します。

医療事務を効率化する5つの方法

では、現場の負担を迅速に減らすための実践的な5つのアプローチを解説します。

①業務を棚卸しして不要な作業を見直す

医療事務を効率化するには、まず日常業務を洗い出し、不要な作業や重複している作業を見つけることから始めましょう。

たとえば、同じ患者情報を複数の帳票へ入力している場合、入力作業そのものだけでなく、入力内容を確認する作業も発生します。紙の書類を別の担当者が再入力しているケースでは、転記作業による負担も生じます。

まずは、受付、会計、レセプト、書類作成などの業務を担当者ごとに整理し、「誰が・何を・どのような手順で行っているか」を確認しましょう。

そのうえで、不要な確認や二重入力、同じ内容を繰り返している作業を見直します。大切なのは、業務を減らすことだけを目的にせず、必要な確認や医療安全に関わる工程を残しながら「無駄な作業を整理する」ことです。

②業務を標準化して属人化を防ぐ

誰でも同じ手順で処理できる仕組みを作ると、業務の滞りがなくなります。特定のスタッフしか処理できない状態(属人化)は、担当者の不在時に業務が停滞する大きな原因です。

すべての業務手順をマニュアル化し、作業の判断基準を明確に整理しましょう。手順が統一されれば、経験の浅いスタッフでも正確に対応できるようになり、ミスや確認の手間が減少します。

③ITシステム・ツールを活用する

手作業で行っている定型業務は、専用ツールの導入で削減可能です。WEB問診システムや自動精算機を導入すると、受付や会計の窓口業務にかかる時間が半分以下に縮小します。

電子カルテと各種システムを連携させれば、一度入力したデータが自動で反映されます。その結果、二重入力の手間が省けるだけでなく、手作業による入力ミスも未然に防げます。

ただし、システムを導入すること自体が目的ではありません。現在の業務にどのような負担があるのかを確認し、その課題を解消できる機能を持つシステムを選ぶ必要があります。

医療機関でデジタル技術を活用する取り組みは、業務効率化だけでなく、情報共有や患者対応などにも影響します。医療DXによって得られるメリットについては、以下の記事を参考にしてください。

▶医療DXのメリットとは?病院経営と医療現場にもたらす効果を解説

④ペーパーレス化で書類業務を効率化する

紙の書類を減らして情報を電子化することも、医療事務の効率化につながります。

紙で管理している書類は、作成だけでなく、印刷、ファイリング、保管、検索、廃棄などにも作業が発生します。必要な書類を探す際にも、保管場所を確認してから取り出す手間と時間が必要です。

電子化できる書類や情報を整理し、適切な方法でデータ管理することで、こうした作業を減らしましょう。

なお、書類を電子化する際は個人情報を扱う医療機関として、情報へのアクセス権限や保存方法なども含めて管理体制を整えなければなりません。

ペーパーレス化は、単に紙をなくすのではなく、書類の作成から保管、検索までの業務を見直す取り組みとして進めると効果的です。

⑤バックオフィス業務を外部リソースに切り分ける

自院のスタッフだけで全ての業務を抱え込む必要はありません。レセプト点検や総務・経理などの専門業務は、外部のバックオフィスサポートへの委託を検討してみましょう。

ルーティンワークを外部に切り分けることで、院内のスタッフは窓口対応や診療サポートといったコア業務に集中できます。

また、業務プロセスの根本的な見直しやシステムの選定に迷う場合は、医療分野に強い経営コンサルティングを活用して客観的なアドバイスを受けるのも確実な手段です。

なお、医療事務の人手不足が進んでいる理由や取り組むべき改善策については、以下の記事で解説しています。

▶医療事務の人手不足が深刻化する背景と解決策

医療事務の効率化を進める手順

効率化の具体策を闇雲に導入しても、現場の混乱を招くだけで成果は出ません。

失敗を防ぐには、現状の整理から運用の見直しまでを正しい順序で進める必要があります。

現在の業務と課題を洗い出す

まず、医療事務で行っている業務を洗い出し、どこに負担や無駄が生じているのかを確認します。

受付や会計、レセプト、書類作成などの業務について、担当者や作業手順、使用しているシステム、紙で処理している部分などを整理しましょう。

業務ごとに「時間がかかる」「同じ情報を何度も入力する」「担当者が限られている」といった課題を確認すると、改善すべき箇所を見つけやすくなります。

現場の職員から実際に困っている作業を聞くことも有効です。管理者だけでは把握しにくい細かな負担まで確認し、効率化する業務を具体化します。

優先順位を決めて改善策を実施する

抽出した課題に対して、「改善による効果の大きさ」と「導入の手間やコスト」の2軸で優先順位を設定します。手間の割に効果が薄い施策から手を付けると、現場の負担が増えるだけです。

現場の混乱を最小限に抑えるため、「マニュアル作成による業務標準化」や「ペーパーレス化」など、低コストで即効性のある施策から着手するようにしましょう。

効果を確認して業務を改善する

改善策を実施した後は、業務負担が実際に減ったかを確認し、必要に応じて手順を修正します。

たとえば、入力作業の時間や確認作業の回数、職員から寄せられる問い合わせなど、改善前と比較できる項目を設定しておくと効果を確認しやすくなります。システムを導入した場合も、導入しただけで終わらせず、現場で問題なく使えているかを確認しましょう。

一度の改善で業務が完成するとは限りません。

実際の運用で見つかった問題を修正しながら、業務手順や役割分担を調整することで、効率化した状態を維持できます。

医療事務の効率化で意識したいポイント

失敗を避け、確実に成果を上げるために押さえるべき2つの注意点を解説します。

現場の負担を増やさない方法を選ぶ

新しいシステムや手順を導入するときは、現場スタッフの操作負担や学習コストを最優先にしましょう。機能が複雑すぎるツールを選ぶと、操作を覚えるための負担が増えて現場が疲弊します。

直感的に操作できるシンプルなツールを選び、段階的に導入を進めるようにします。現場の負担を抑えながら移行作業を進めることが、新しい仕組みをスムーズに定着させる必須条件です。

自院の業務に合った仕組みを取り入れる

他院で成功したシステムが、そのまま自院に適するとは限りません。診療科目や患者層、既存の運用方法によって、最適な効率化手段は大きく異なります。

たとえば、高齢者の患者が多いクリニックにWEB問診だけを導入しても、操作できずに窓口でのサポートが発生して作業が増えます。自院の特性や患者の動線を正確に分析したうえで、最適なツールや外部サービスの組み合わせを決定してください。

医療事務の効率化は業務と仕組みの両面から進める

医療事務の効率化を成功させるには、既存業務の整理と新しい仕組みの導入をバランスよく組み合わせる必要があります。業務の棚卸しや標準化を進めたうえで、自院の課題に合わせたITシステムや外部リソースを選択してください。

一気ですべてを変えようとせず、できる範囲から段階的に改善を重ねることで現場の混乱を防げます。適切なツールやサポートを取り入れ、現場の負担軽減とスムーズな医療経営を実現しましょう。

株式会社UPASでは、医療機関の活性化に向けた経営コンサルティングをはじめ、業務を効率化するシステム開発や、現場の人手不足を解消するバックオフィスサポートを提供しています。

自院の業務改善やシステム選定でお悩みの方は、お気軽に弊社までご相談ください。

関連記事

TOP